King Crimson

■ U.S.A.

収録曲 1.Walk on...No pussyfooting 2.Larks' Tongues in Aspic Part II 3.Lament 4.Exiles 5.Asbury Park 6.Easy Money 7.21st Century Schizoid Man 8.Fracture 9.Starless
メンバー:David Cross-Violin & Keyboards,Robert Fripp-Guitar & Mellotron,John Wetton-Bass & Voice,Willam Bruford-Percussives (Eddie Jobson-Violin on 2 & 7,Piano on 3)
1974年録音

 精神異常者の大顔ジャケットは有名だけど、グレッグ・レイクの頃のクリムゾンはつまらない(暴言)。演歌みたいだからだ。メロトロン派には絶対に外せないアルバムであるし、哀歓たっぷりの曲もそれは素晴らしいものなのであるが、やはり、クリムゾンを聴くなら暗黒、太陽と戦慄そしてRedを薦めたい。狂暴で不安定で、しかし、思索的なクリムゾン・サウンドの根幹は、否定するすべなくここに存在するからである。この3部作は、クリムゾン、ひいてはプログレを語る上で絶対に外せない。そして、この3部作当時のライヴ音源である、写真のUSAは、個人的に、迷わずクリムゾンの音源のベスト・オブ・ベストとして挙げることができるものである。暗黒、太陽と戦慄の他、ジョン・ウエットンの精神異常者まで聴ける。その上、ライブなノリとその空間というか奥行きがよく伝わってくるからだ。音質が今一なのかもしれないし、ミスもあるのかもしれないが、当時のクリムゾンをポートレイトのようにうまく捉えた録音であるような気がする。リミックスの際、エディー・ジョブソンがバイオリンとピアノで参加している。デヴィッド・クロスのヴァイオリンを編集段階で差し替えたことについて、いろいろいわくが語られているが、この音を聴くと、そんなことどうだっていいじゃん、という気になってくる。さて、このUSAが、2002年8月21日、遂に紙ジャケHDCDで再発された。しかも、1,8,9が新たに追加されている。この時期のクリムゾンの曲の中で一番のお気に入りであるStarlessまで収録されている(^_^)vこのメロディーの美しさ、絞り出すようなジョン・ウエットンの歌声は何にも代え難いのだ。USAの魅力が数倍にもなって帰ってきたのである。感無量! (2003.4)

以下、クリムゾンの主要音源をご紹介します"^_^"v

■ 1969年リリース In the court of the Crimson King
 ビートルズのアビーロードを蹴落として全英1位に輝いたデビューアルバム。クリムゾンの記念すべき誕生とともにプログレッシブロックの夜明けを告げる重要なアルバムです。ブラスセクションの強烈な導入により重厚な音作りがなされています。冒頭の21世紀の精神異常者はジャズとロックがへヴィーに融合された極めつけの曲。アコースティックギターとメロトロンにより叙情的且つ重厚に演奏されるエピタフ(墓碑銘)、キングクリムゾンの宮殿など必聴のナンバーが並んでいます。
■ 1970年リリース Lizard
 イエスのヴォーカリスト、ジョン・アンダーソンやキース・ティペット・グループらの参加によって豪華に作られたアルバム。前作以降、ジャズ的インプロビゼションが多くを占めるようになってきており、このアルバムでも前半はその傾向を継承しています。最大の聴き物は20分を超えて演奏される表題曲リザード。これは、かなり構築的な楽曲で表情豊かな演奏のため誰もが楽しめるものと思われます。ジョン・アンダーソンのクリスタルな歌声が一際美しく溶け込んでいます。
■ 1973年リリース Lake's tongues aspic
 現在にまで継承されるクリムゾンらしさの原点は、このアルバムではないかと思います。無骨で凶暴、厳しくしかも優しい音の原石です。太陽と戦慄パート1と2を最初と最後に配置するアルバム構成、土曜日の本の美しさ、エグザイルス、イージー・マネー、トーキング・ドラムの緊張感は聴くものの息をつかせぬ程に体に脳に畳み掛けてきます。硬派なプログレファン必聴の珠玉の一枚。
■ 1974年リリース Starless and bible black
 邦題は暗黒の世界。前作の延長線上にある作品ですが、ライヴ録音を多用し、インプロビゼーションに力点を置いた作品。LP時代は、A面が大いなる詐欺師、人々の嘆き、隠し事、夜を支配する人々、トリオ、詭弁家、B面が暗黒の世界、突破口という構成でした。冒頭から3曲は構築的作品、以降インスト・バトル的作品といった感じ。・・・しかし、ロバート・フリップの螺子くれて歪み切ったギターとジョン・ウェットンの篭りがちな無骨な声はよくあいますね〜。・・・このアルバム以降、暗黒はクリムゾンの形容詞ともなりました。
■ 1974年リリース Red
 太陽と戦慄からこのRedまでがクリムゾンがクリムゾンとしてのオリジナルのカラーを発揮して同時代的に存在した唯一の時期ですね。他の作品は、この3部作(・・・と勝手に決めているのですが)を超えるものではないと断言します。ギターが実に雄大にテーマを奏でるRed、そして、ジョン・ウエットンの切々と歌い上げるヴォーカルがクリムゾンの曲中最も美しいスターレスが収録されています。
■ 1975年リリース The young persons' guide to king crimson
 The young persons' guideは、この聖域ページの副題でもあるように、このアルバムから頂いたものです。このアルバムは、クリムゾンの楽曲が、メロトロンとバイオリンとギターを全面に出して構築されていた時代の集成である。ファンにとってうれしいのは、風に語りてのヴォーカルがグレッグ・レイクではなくジュディ・ディプルという女性シンガーである点。最近でこそロバ・フリ氏はオフィシャル・ブート屋さんになってしまいましたが、当時は、今以上に、厳格な職人だったから、このようなヴァージョンは簡単に聴けなかったんですよ。ファーガス・ホール氏によるカヴァー・アートも特筆物だ。
■ 1981年リリース Discipline
 ロバート・フリップが商業的再結成を宣言して活動を始めた、次世代クリムゾン。ロバート・フリップ(g)、エイドリアン・ブリュー(g)、トニー・レヴィン(b)、ビル・ブラッフォード(dr)という構成。エイドリアン・ブリューのトリッキーなギタープレイがフィーチャーされたエレファント・トークはクリムゾンの看板ともなりました。日本語のサビを持つ「待ってくさだい」なんていう曲も入ってます。重厚という点は従前ながら、小気味よい軽快さも加わった秀逸な作品です。