
| Emerson Lake & Palmer |
■ Tarkus 収録曲 1.Tarkus (i:Eluption ii:Stone of years iii:Iconoclast iv:Mass v:Manticore vi:Battlefield vii:Aquatarkus)2.Jeremy Bender 3.Bitches Crystal 4.The Only Way(Hymn) 5.Infinite Space(Conclusion) 6.A Time And A Place 7.Are You Ready Eddy? メンバー:Keith Emerson:Orgun,Piano,Synthesizer Greg Lake:Vocals,Bass,Guitar Carl Palmer:Drums 1971年発売 お馬鹿なライヴはそれなりに楽しめるものの、最近ではスタジオ盤に勢いがなくなってきたELPですが、70年代には優れた大曲を数多く発表していました。展覧会の絵、タルカス、永遠の謎、トリロジー、悪の経典#9、海賊、将校と紳士の回顧録などなどです。そうした中から、敢えて、タルカスを選んだ理由は、火山の中で卵から孵ったタルカスが散々大暴れの末に海に帰ってゆくというお馬鹿なストーリーとウイリアム・ニールのイラストが異常に好きだからです。このストーリーを大真面目に演奏するお馬鹿さを考えると笑ってしまいそうなのだけれど、彼らの演奏を聴くとそういったことはどうでもよくなってしまいます。ただただ、凄まじいのです。ELPは、卓越したテクニックを誇るキース・エマーソンを中心とするトリオですが、テクニック云々よりも、聴くべきは破天荒極まりないぶっ飛んだ彼のセンスです。クラシックに元ネタのある曲が多いといわれていますが、それにジャズからのパクリフレーズやカントリーまでもロックの中に糞味噌に混ぜ込んだパーカッシブな音楽の小気味よさは他に比較すべきアーチストを見出し得ないのではないでしょうか。今でこそELPのクローンのようなバンドはわんさかといますが、似ている部分があるとしても、それはほんの表面をなぞった程度に過ぎないように思います。このことは、ELPのアルバムを一聴すれば明らかな限りです。タルカスには、タイトル曲の他にも、カントリーなジェレミー・ベンダー、チャーチ・オルガンが美しいジ・オンリー・ウェイ、ぶち切れぎみのロックンロール、アー・ユー・レディー・エディーとバラエティーに富んだ秀逸な曲が並んでいます。 (2007.11) 以下、主要音源のご紹介"^_^"
■ 1970年リリース Emerson Lake & Palmer
LPの解説をさせると北山幹雄氏の右に出るものはいないのではないかと思います。実にハードボイルドな彼の文章は端的にアーチストを言い表してしまいます。ELPファーストのライナーを要約するとこうです。「混沌たるモダンロックには二つの型がある。訴える集団と掘り下げる集団である。ELPは後者に属する思索型であり、音楽を幅広くしかもより深く追求する点においてベストである。」・・・未開人、石をとれ、ナイフ・エッジ、運命の3人の女神、タンク、ラッキーマン、これら6曲は、また、彼らの音楽の深みを端的に提示するもので、彼らは、ファーストにおいて、彼らの魅力の原点をずばり提示することに成功しています。
■ 1971年リリース Pictures at an exhibition
クリスマス・アルバムとして発売されたもので、ムソルグスキー作展覧会の絵を独創的な解釈で演奏しています。アンコールのナットロッカー(チャイコフスキー作くるみ割り人形の行進曲)も同じく、クラシックをアレンジして身近に聴かせることの素晴らしさ、音楽はたとえクラシックであっても、窒息しそうな状況下において聴くものではないことを証明するものです。音楽の本当の楽しさを教えてくれる作品ですね。そういう目で見れば、義務教育時代の教科書ほど稚拙なものはなく、純粋に音楽はこうあるべきだということを再認識させてくれる作品でもあります。
■ 1972年リリース Trilogy
キース・エマーソンという人は優れたプレイヤー、パーフォーマーであるばかりではなく、卓越した作曲家でもあります。このアルバムには、そういう構築性に満ちた大曲、永遠の謎、トリロジー、奈落のボレロの他に、ギターの弾き語りが主体のイン・ザ・ビギニング、ウエスタン・タッチのシェリフ、思わず輪を作って踊ってしまうホーダウン、ちょっとへヴィーなリヴィング・シンが納められています。永遠の謎冒頭のフリー・フォームなキーボード演奏は絶品です。
■ 1973年リリース Brain salad surgery
邦題「恐怖の頭脳改革」。観音開きの変形ジャケットで発売されました。開くと、目を閉じたメドゥーサが登場します。目を見たものは全て石になるといわれるギリシャ神話に出てくる怪物ですね。聖地エルサレム、トッカータ、スティル・ユー・ターン・ミー・オン、用心棒ベニー、悪の経典#9の全6曲が収録されています。LPではA,B面にわたる3部構成の#9は圧巻。ブラック・ムーンのライヴの時にも冒頭演奏されたように、ノリノリで何でもあり状態の演奏が披露されています。
■ 1977年リリース Works vol.1
2枚組LPの時代は、4つのサイドが順に、キース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマー、ELPとなっており、各人のソロとバンド演奏という構成が採られていました。キースのサイドには、ついに創ってしまったかという感じで、自身の作曲によるピアノ・コンチェルトが収録されています。ELPのサイドは2曲。最初はアーロン・コープランド作曲の庶民のファンファーレ。そして海賊。全体に音の透明度が極めて高く、クラシックにより接近した作風であるため、ロックのダイナミズムにはやや欠けます。
■ 1992年リリース Black moon
前作のスタジオ録音から14年目にして、突如発売された衝撃作。石切場で演奏されたMTVのクリップは驚異的な迫力を見せました。シンプル且つパワー漲るビート、それを増強させるベースライン、そして、狂人的なキーボードワークは健在でした。当時、来日し、東京厚生年金に観にいきましたが、この頃のライヴは後にアルバート・ホール音源が発売されています。終盤、オルガンに馬乗りになり逆さまからトッカータとフーガを弾くというパフォーマンスまでも健在なのには恐れ入りました。 |