Boston

■ Boston(1976)

収録曲 1.More than a feeling 2.Peace of mind 3.Foreplay/Long time 4.Rock & roll band 5.Smokin' 6.Hitch a ride 7.Something about you 8.Let me take you home tonaight
メンバー:Tom Scholz(gitars,bass,organ,percussion) Brad Delp(vocal,guitars) Barry Goudreau(guitars) Fran Sheeman(bass) Sib Hashian(drums,percussion)
1976年発売

 1976年デビュー・アルバムである本作ボストンは1000万枚という驚異的なセールスを記録、アルバムチャートでいきなり3位となった。ボストンの中心人物はマサチューセッツ工科大学出身のトムシュルツである。デビュー以来、ボストンはコンピューターとシンセサイザーを使わないということを制作の方針としている。機器を用いないで信じられないくらい多重録音するのと機器を用いて一発録り出来る実力があるのとミュージシャンとしてどちらが優れているかは考え物であるというきもするけど。
 ボストンの音は開放感のある煌びやかな音だ。ロック・マンなるトム・シュルツ考案のエフェクトにより処理されたオーバードライブとディストーションの中間くらいの風味のギターの音が一つの特徴となっている。これにアコースティック・ギターとオルガン、さらに厚いコーラスが加わってボストンの音が出来上がっている。ロックマンなるエフェクト・システムが出来上がったのは、2ndと3rdの間くらいであったように記憶しているのだが、音は1stから4thなで一貫しているから面白い。
 まぁ、音が一貫しているといいながらも、個人的好みからいえば、3rd以降は多重録音ないし音に深みをつけるための処理に凝り過ぎていて面白味がない。ロックンロール・バンドとしての音の力強さ、訴求力を考えれば2ndまでである。そして、2ndのドーント・ルック・バックはアルバム全体の曲のトーンが平準化し過ぎて平坦になっているのに対して、このデビュー・アルバムでは、随所に散りばめられたオルガン、アコースティック・ギターにより効果的に起伏がつけられており完成度が群を抜いているといえよう。・・・ということは、はっきり言ってしまえば、ボストンはアルバムを出すたびにつまんなくなってきているってことなんだけどね(笑)。逆にいえば、ファースト・アルバムはその全てが聴き所だといえる凄いアルバムなのである。Dのローコードのアルペジオで始まるモア・ザン・ア・フィーリングからカッティングのイントロがカッコいいピース・オブ・マインド、荘厳なオルガンの響きが扇動するフォープレイ、歓声のサンプリングがいい味を出しているロックンロール・バンド、ギターとオルガンの絡みが凄まじいスモーキンと挙げればきりがない。(1999.1)

■ 主要音源

■ Don't look back (1978)

 ファーストに比べるとプログレッシヴ風味はかなり薄れ、ロックン・ロール色が強まった2作目。タイトル曲、ドント・ルック・バック、イッツ・イージー、フィーリング・サティスファイ、パーティー、ドント・ビー・アフレッドとギターのオーバードライヴが心地よいノリのいい曲が揃っている。一方、前作のスモーキンに見られるオルガンとギターのバトルのようなダイナミズムは影を潜めオルガンはジャーニーやユースト・トゥ・バッド・ニュースのように独立したオルガンを聴かせる楽曲の中に位置付けられている。実に肯定的で爽快な楽曲により全世界に圧倒的な支持を獲得し、発売後3週間で全米LPチャートの1位を獲得した。アルバムの邦題は「新惑星着陸」ジャケットのまんまだ。
■ Third stage (1986)

 前作から、何と、8年の歳月を経て発表されたサード。レーベルはMCAに移籍している。発売時のLPの帯には、「偉大なるボストン号が宇宙の彼方より帰還した!!」である。巨大なパイプオルガン型宇宙船の頭部に今にも合体しそうなギター型宇宙船ボストン号・・・というジャケット・デザインが一際素晴らしい。オリジナル・メンバーはトム・シュルツとブラッド・デルプだけになってしまったが、音は、歳月をものともせず、実に前作の延長線上にある。スロー・バラードのアマンダが大ヒット、より音の密集度が増した組曲ザ・ローンチやクール・ザ・エンジンズなど迫力満点の楽曲も収録されている。
■ Walk on (1994)

 サード・ステージから更に8年の歳月を経て発売されたウォーク・オン。彼らのアルバム制作周期は、まさに宇宙的だ(笑)。CD表面には、惑星を前にしたサード・ステージのパイプオルガン型宇宙船が、また、ジャケットには惑星に不時着したかのようなボストン号が描かれている。楽曲は、冒頭、ミディアム・テンポのアイ・ニード・ユア・ラブで幕を開ける。ギターの音は相変わらずなのだが、ヴォーカルのサビの部分がちょっと普通過ぎる印象。その他、インストルメンタル部分はファーストから一貫した作りで、どこまでも美しい音の配列が試されており、メタリックなリフを使ったりと工夫の後はあるものの流石にマンネリ化、アルバム全体がやや緊張感に欠ける印象。